ニュースレター

2015年 5月 18日発行
<ご挨拶>
 みなさま、お久しぶりです。お元気でいらっしゃいますか?
 連休はお天気に恵まれましたが、いかがお過ごしでしたでしょうか?

 我が家の近くの公園には、わらぶき屋根の古民家が移設されていますが、
 その民家の前には、大きな鯉のぼりが上げられ、
 新緑の山を背景に、さわやかな風を受けて、気持ち良さそうに泳いでいました。

 それでは、「INVC湘南だよりNo.3」をお届けします。
 どうぞ、ごゆっくりお読み下さい。
  
 INVC暮らしとアートの研究所
 http://nonverbal-invc.com    東山安子
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<湘南だよりー初夏>

今回の湘南だよりは、連休の江ノ島の様子をお伝えしましょう。
江ノ島は毎週末、たくさんの人が訪れますが、特に連休は込み合います。

訪れた人は、江ノ島に渡る弁天橋を、楽しそうに話しながら、にこにこ笑いながら、
手をつなぎながら、のんびり歩いて行きます。
目の前の江ノ島に向かって、右側には山肌に少し雪の残る富士山、
左側には相模湾の大きな海原を走って行く、ヨットやカラフルな色のウィンドサーフィン、
上空には、広々とした大きな空、ゆうゆうと飛ぶとんびやカモメを眺め、
気持ちのよい潮風に吹かれ、磯の香りをかぎながら、江ノ島に着きます。

江ノ島に着くと、左手はヨットハーバー、目の前の参道には昔ながらの貝細工のお店、
おまんじゅう屋さん、しらす屋さん、小さな郵便局などが並び、
一年中、お正月か、縁日か、お祭りかといった雰囲気でにぎわっています。

参道を昇り切ると、長い階段があり、江島神社へと通じます。
連休が終わっても、これから紫陽花の季節が終わるまで、
一年中で一番江の電がたくさんの人を乗せて走る季節です。

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<INVC暮らしとアートの研究所報告>

今回は、「ワークショップ未来の夢2015」についてご報告します。
このワークショップは2015年2月から4月にかけて、毎週2時間、全11回、行いました。
場所はもちろん江ノ島です。

「ワークショップ未来の夢2015」を開催した経緯は、昨年の秋、専修大学教授の上村妙子先生にお招き頂き、「日々の幸せとNVC」と題する講演を行った事に始まります。聞いてくれた学生の一人であるK君が、是非ワークショップを開いてほしいと江ノ島まで来てくれたのです。それでは、せっかくなので希望者を募ってみましょうと、講演を聞いてくれた学生たちに声をかけました。参加を希望してくれたのは、K君を入れて四人でした。

「ワークショップ未来の夢2015」の参加メンバーを紹介しましょう。
K 君:このワークショップを開いてほしいと希望してくれた三年生、ゼミ長もしています。
S君:一年間のアメリカ留学を終え、この春大学院に進学し、教員を目差しています。
T君:奨学生として勉学に励み、哲学に興味をもっている四年生です。
Mさん:この6月から一年間のアメリカ留学に出かける、湘南育ちの三年生です。
 そして、四人とも塾講師をしています。

四人には、はじめに参加する動機を聞きました。
 就職活動を控えたK君は、「あと少しだけ、みんながみんなに優しい世界になるようにと、生活に関わる仕事をしたい。そのためにのんばーばるcom.を学びたい」と。
 教員を目差すS君は、「どのようなふるまいが生徒によい影響を与えるか、自分と関わる人たち双方が幸せになる考え方やふるまいについて考えたい」と。
 哲学にも関心のあるT君は、「どうやったら一人一人が安らぎをもってよりよい人生を暮らせるかを仲間とディスカッションしたい」と。
 Mさんは、「今まで言語にばかり関心をもってきたけれど、アートや色や時間などののんばーばるcom. についても知りたい」と言ってくれました。

私は、彼らの参加動機を聞いただけで、何と心やさしい若者たちなのだろうと、とても感動しました。自分のことしか考えない人が多い中で、人が人にやさしい社会、人が心から安らげる社会、自分と相手の双方が幸せになれる考え方を模索したい、そして言語以外の世界に視野を広げたいという20代の若者たちに、私は心を打たれたのです。

毎週2時間、全11回のワークショップのテキストは2冊。一つは、私が現在執筆中の『暮らしの中ののんばーばるコミュニケーション』、もう一冊はこの分野の一般的な本で、それらを読んでレジュメを作り、ディスカッションするという形式です。主に使った執筆中の原稿は次のような構成です。
 『暮らしの中ののんばーばるコミュニケーション』(2015年秋出版予定)
第一章 心の交流とのんばーばるcom.
第2章 五感とのんばーばるcom.
第3章 人間関係とのんばーばるcom.
第4章 異文化とのんばーばるcom.
第5章 空間・場とのんばーばるcom.
第6章 時間とのんばーばるcom.
第7章 アート・色とのんばーばるcom.
第8章 自然とのんばーばるcom.
第9章 命の循環とのんばーばるcom.
第10章 幸せとのんばーばるcom.

ワークショップのディスカッションの内容は、とてもここには書ききれません。関心をもって頂きました方は、HPの「WS未来の夢」(http://nonverbal-invc.com)に、T君がfacebookにまとめてくれたものをリンクしてありますので、どうぞお読み下さい。ここでは、2点だけお話したいと思います。

一つは、ワークショップのまとめの日に、どの章が印象深かったか、ベスト3を各自に選んでもらいました。1番目は「命の循環」「心の交流」「五感」「空間と場」と分かれました。2番目は、「時間」が3人、「人間関係」が一人、3番目は「アートと色」が二人、「自然」と「命の循環」が一人ずつでした。複数の人がベスト3に挙げたのが「時間」「命の循環」「アートと色」で、私のかなり深いメッセージに共感してもらえて、とてもうれしく思いました。

二つ目は、毎週ディスカッションを重ねる中で話題に上った「食に関する考え方」について。K君が先輩に薦められて『命の食べ方』というDVDを見たという話をしてくれました。命あるものがどうやって食卓に上るのか、それを見てしばらくは食がのどを通らなかったと言います。彼は熟考の末、自分は「いただきます」と心から感謝して手を合わせ、頂く事にすると決めます。それからは友人たちと食事に行って、友人が頂きますを言わずに食べ始めると、自分の考えを伝えると言います。知り得た事、考えた事を自分の胸のうちだけに留めずに、友人たちに伝え、共感の和を広げていこうとする姿勢が素晴らしいと私は思いました。

このWSでも、このK君の話を聞いて「そうか」と気づいたS君は、命を頂いている間に携帯を手にするのは命に失礼だと気づき、食事中に携帯を見ることを止めたと話してくれました。この四人が素晴らしいのは、自分の考えを真っすぐに述べ、それに対して自分の考えと違っていても素直に受け取って、自分なりに消化し、しかもそれを行動に移すという点です。この三ヵ月間に、彼らはとてもいい影響や刺激を受け合い、自分の生き方を見直したのだと思います。

この話に象徴されるように、三ヵ月間のディスカッションは、生き方の根本に深く迫るものでした。皆ほぼ初対面の四人でしたが、この11週間、それぞれの心を割って話し合った事は、彼らのこれからの生きる力になるでしょう。私が伝えたかったメッセージにもかなり共感してもらえ、私が六十年を超えてやっと到達した地点に共感できる彼らの感性に感動すると共に、日本の未来は大丈夫と心から思わせてくれました。

 衣食住、すべてに自分のポリシーをもって生きているK君、
 手作りの食卓で育ち、家族を大切に思っている、笑顔の素敵なMさん、
 いつも生徒の事を考え、いい教師になろうと精進しているS君
 母校に感謝し、誇りをもち、いつか母校に恩返ししたいと話すT君、

この四人と三ヵ月間ディスカッションをしてきて、私の心の中にはとてもさわやかな風が吹きました。人に対するやさしさ、思いやりを、心に秘めているだけでなく、行動力、実行力をもって伝え、広めようとする姿勢をもつ若者たちに出会えた事に、心から感謝しています。
   
                                東山安子
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次回の「INVC湘南たより」は夏号を予定しております。
ご感想や近況をお知らせ頂ける方は、以下のアドレスにメールを頂ければ幸いです。
    東山安子:ytprimrose09@gmail.com
    山口(田島)美和:barrierfreeclub@yahoo.co.jp
藤田典子:noriko.fujita.09@gmail.com
大野木かおるアンジェラ:angelafraganza@gmail.com

みなさまからのおたよりを、心よりお待ちしております。

今日は牡牛座の新月。
このニューズレターを通してみなさまと良い関係が続く事を願っております。

それでは、みなさま、どうぞお元気にお過ごしください。
みなさまにとって、穏やかでしあわせな日々が続きますように。

2015年5月18日

Intercultural Nonverbal Communication
INVC暮らしとアートの研究所
http://nonverbal-invc.com
代表 東山安子



 


 
 
 

 



 
 INVC暮らしとアートの研究所

所在地:神奈川県藤沢市
活動場所:湘南・江ノ島

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