みなさま、
桜吹雪が舞う中、新学期が始まっていますが、 いかがお過ごしでしょうか。
ずっと教壇に立っていたからか、新たな若者たちに出会う四月は色々と思い出され、 今でも特別な季節です。
我が家の庭では、雪柳、花水木、ジューンベリー、サツキ、姫林檎と 色とりどりの花が咲いています。ルッコラや麦の穂も春風に揺れています。
本日の話題は次の三つです。 2月 湘南ぶら散歩 3月 梅見 4月 懐かしい集い
お時間のあります時に、ゆっくりお読み頂けましたら幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <2月 湘南ぶらさんぽ>
前回の「湘南だより」でふれましたように、 「明英(明海大学英米語学科同窓会)」の特別企画、「湘南ぶらさんぽ」が 2月9日の日曜日に江ノ島で開催されました。 寒い日が続いていたので天候が心配でしたが、当日は青空の広がる良いお天気。 しかも風もなく日差しが暖かく感じられる絶好の一日となりました。
集合は小田急線の片瀬江ノ島駅。竜宮城を模った駅舎が特徴的です。 小田急線へのアクセスのいい人もいる中、 北千住や大手町からロマンスカーで来てくれた人たちや、 大船経由でモノレールで来てくれた人など、遠方からも卒業生たちが集まってくれました。 そして、一番遠くから来てくれたのがなんと山形県から! 庄内からの飛行機の予定が雪で飛ばず、秋田まで車で行って秋田から飛行機で来てくれたそうで、 なんとうれしいことでしょう! 私も入れて13名。高校や大学の教員が三分の二くらい。 高校生、小学生のお子さんと一緒に家族で参加してくれた明海カップルや ご夫婦で参加してくれた人もいました。
まず初めに見てもらいたかったのが「大海原の向こうに見える雪化粧した富士山の絶景」! 駅から海の方に歩いていくと、いきなり目の前に広がるこの美しい景色に、 みんなとても感激してくれました。
海岸の方に降りて、海に突き出している桟橋の上を歩いていくと、 海の中から富士山を見ているような感覚になります。 岩に波飛沫がかかり、遠くにサーファーたちが見え、空にはトンビが悠々と舞っています。 海の中を覗くと、小さな魚が群れになって泳いているのが見えます。 波音だけが聞こえる心地よい静寂の中で、しばし大海原の中にいるような感覚を味わった後、 富士山をバックに写真を撮り、昼食会場に向かいます。
会食会場はすぐ近く。 フロアーから正面に江ノ島が見えるイタリアンで、2時間飲み放題のパーティープラン。 卒業生たちの飲むピッチの速さと料理の食べっぷりの良さに現役のパワーを感じます。 仕事面ではみんなもうベテランの域。 英語科の教員として主任などもやりながら早17〜8年の人や大学の専任教員もいます。 明海の卒業生が社会で頑張っている様子が感じられて、本当に嬉しい!
お昼の後は、いよいよ海の上に掛けられている弁天橋を渡って江ノ島へ。 右も左も大海原。右は富士山、左は逗子や三浦半島方面。 白い帆を上げたヨットがたくさん出ています。 橋を渡り切って参道を登ります。 お饅頭やさん、しらす料理の店、お土産やさんなどが立ち並び、観光客で一杯です。 鳥居のところでは階段を登らずに、脇道から奥津の宮を目指します。
「奥津の宮」は三姉妹の長女をお祀りしてあるところ。 天井には「八方睨みの亀」が描かれています。 お隣の「龍宮」には龍神様が。しかし、この日はとても混んでいて お参りするには長い列に並ぶので、龍のお姿を拝見して引き返し、 江の島灯台のある「サミュエル・コッキング苑」へ。
途中、「山ふたつ」という見晴らしの良いところを経過し、まずはティータイム。 頂上にあるカフェもテラス席からは目の前に大海原が広がっています。 お茶とケーキをそれぞれ頂きながら、みんなの笑顔とおしゃべりの輪が広がっていきます。 お昼もお茶もゆっくりしたので、もう結構な時間です。
カフェを出て、目の前のサミュエル・コッキング苑に移動。 ここは貿易商であったイギリス人のサミュエル・コッキング氏が 明治18年に江ノ島の頂上に別荘を建て、大庭園を作った場所です。 東洋一の温室もあり、文化遺産や貴重な土木技術の資料として保存・公開されています。 苑内には江ノ島灯台やカフェもあります。 ちょうどチューリップが美しく咲き始めていたので、ピンクのチューリップの前で記念撮影。 そして残りの時間を各自で自由に楽しんでもらうためにここで解散としました。
帰りの電車はそれぞれに違うので、それまで江ノ島を個々に楽しんでもらうために 以下の四つのオススメスポットを紹介しました。
一つ目は参道の両側にある「お土産ショップ」でお買い物。 二つ目は「江ノ島ならではの夕焼け空」を橋の上や海岸から堪能する。 この日の日没は17:15頃。その前後はオレンジやピンクやグレーや水色が混ざった 夕焼け空のグラデーションがなんとも美しい時間になります。 三つ目はいつもINVCセミナーを開催している「ヨットハーバー」に行ってみる。 ここにも小さな灯台があり、海の波飛沫を間近で感じることができます。 停泊しているヨットのマストが風でふれあって、カランカランと心地よい音のする場所です。 そして四つ目は、立ち並ぶ「海鮮料理店」で海の幸を食す。夕方までいれば、お腹も空くでしょう。 海に囲まれた江ノ島ならではの海鮮料理を楽しんでもらえればと。
数日後に送られてきたphoto アルバム。江ノ島の大自然とみんなの笑顔が素敵でした。 私がいつも散歩している江ノ島を案内でき、 感じて欲しかった自然の雄大さを共有できて本当に良かった! 体調も気になっていた最中、「湘南ぶらさんぽ」の案内人を無事果たせて、ほっとしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <3月 梅見>
大寒が過ぎると、まだ寒いながらも僅かずつ春の気配。 なんといっても梅の開花は春の始まりを感じさせてくれます。 我が家の近くで梅見を楽しめるの場所は二ヶ所あります。
一つは、江ノ電の江ノ島駅近くにある常立寺。 ピンクと白の枝垂れ梅の名所で、毎年たくさんのカメラマンが訪れます。 我が家から常立寺までは20分ほどの散歩距離。 梅の香りが漂う中、白梅も紅梅も満開で見事でした。
枝垂れ梅とは、枝が空に向かって伸びているのではなく、 地面に向けて長く垂れ下がっており、そこに花が咲きます。 花を見上げるのでなく、目の前で楽しめ、香りも嗅げるのです! グループで訪れている人たちが、赤い布の掛けられた縁台に腰掛け、ゆっくり梅を愛でています。 中国茶とお菓子のセットで一休みしている人たちもいました。
我が家が梅見を楽しむ二つ目の場所は、近くの山の公園と呼んでいるところ。 十数本の梅の木があり、冬山の渋い緑を背景に紅白の梅の彩りを見るのが 毎年の楽しみです。
海とは反対方向に川沿いを20分ほど。 2月の中旬に見に出かけましたが、こちらの開花は遅れ気味。 その後一週間ごとに、今日は咲いたかなと思いながら通って、 本当に満開で美しかったのは、3月9日。 その前の週に小雪がちらついたり、風が吹いたので、どうかなあと思いながら出かけたので、 例年通りの梅林の美しさを目にした時は感激しました。
小さな山ではありますが、その麓に江戸時代の名主さんの家が移築されています。 土間には竈門があり、和室の中央に囲炉裏。 和室の横に広い縁側があって、そこに腰掛けてぽかぽかと日向ぼっこしながら、 塀越しに見える梅林の白とピンクの淡い彩りを眺めます。
梅の木の下には家族連れがテントを張ったり、お弁当を広げたり。 きゃっきゃと言いながら芝生の上を走り回る小さな子どもたち。 芝生の上に落ちている梅の蕾や花びらを拾っている女の子たち。 みんな、漂ってくる梅の香りをかぎながら、さらなる春の訪れを待っているようでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<4月 懐かしい集い>
今年に入って、30年ほど前にコロンビア大学で一緒に学んだ友人からメールが入りました。 「元気なうちに、またお会いしたいです」と。 彼女は私より一回りほど年配で、私より少し若いもう1人の友人と三人で会うことに。
当時は、皆それぞれ仕事が忙しい中、本当によく勉学に励みました! 私は40代に入った頃。専任として教壇に立って5年が経ち、 自分なりの教授法を見出したいと思っていた頃でした。 サイマル・インターナショナルの協力のもと、 コロンビア大学の大学院であるティーチャーズカレッジ(TC)が TESOLの修士課程をオファーしていることを知り、 専任の仕事と子育て真っ最中の中、入学を決めました。
「学んだことを教育現場で日々生かすことにより日本の英語教育の変化を促す」 と言うのがTCの目標であったので、教える現場を持っていることが入学条件の一つでした。 従って、入学した修士生たちは全員現場の語学教師たち。 中学・高校・大学の英語教師、幼児英語教育や通信制高校の教師、日本語教師など、 多彩な仲間たちから多くのことを学びました。
いつも一緒に課題に取り組んだ上述の2人は日本語教師。 1人はアメリカ生活の後帰国して日本語学校の経営に携わり、教師でもあった人、 もう1人は卒業後アメリカでグリーンカードをとって ニューヨークやシカゴで長年日本語教師をしてきた人です。 アメリカでの永住をやめて日本に帰国した時に私たちは一度会っていますが、 それから月日は流れ、今回の再会は9年ぶり!
鎌倉の桜を見に行こうという事になり、4月初めに集いました。 前日まで雨が降ったり、風が強かったり、肌寒かったりしたのですが、 その日は良いお天気に恵まれました。 朝から二人とも電車の遅延があって波乱の幕開けでしたが、 レストランのテラス席で久しぶりの再会を果たしました。 お食事を共にしながら昔話や現在の話に花が咲き、おしゃべりが止まりません! 30年前の若き日が走馬灯のように思い出されます。
その後は、段葛の桜を見ながら鶴ヶ丘八幡宮へ。 段葛の桜並木は数年前に植え替えられましたが、 若木もずいぶん大きくなり素敵な桜のアーチとなっています。
八幡宮の鳥居の右側にある牡丹園も訪れて、 牡丹の花と源氏池の周囲に咲く桜の花をゆっくり愛でることができました。 こちらの桜は池にまで長く枝を伸ばしている姿が美しく、 青空と桜のピンクと木々の緑が池に映って絵本に出てくるような光景です。
牡丹園を後にして、お参りかティータイムかと問えば、即座にお茶との返事。 「お参りより団子」と言うわけで、平家池の前の和喫茶へ。 よく訪れるこのお店、ガラス張りの大きな窓から緑の木々に囲まれた平家池がよく見えます。 6~7月にはこの池は一面に蓮の花が咲き、それはそれは見事な景色となります。
お抹茶と桜をイメージしたお菓子のセットを頂きながら、またおしゃべりに花が咲きました。 私が見習わなくてはと思ったのは、 二人とも週に何度もジムに通って身体を動かすことを楽しんでいると言うこと。 元々、泳ぐことやダンスが好きな人たちなので、 こう言う年齢になってもそれが続いているだけなのかもしれませんが、 私は日々散歩をするだけなので、もう少し身体を動かした方がいいかなと。 若い頃からエネルギッシュな二人に良い刺激をもらったので、 日々の暮らしにストレッチとかヨガとかを組み込もうかと思っています。 また来年も桜の咲く頃にと再会を誓って、鎌倉を後にしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それでは、今号はここまで。 ご感想、ご近況など、いつでもお待ちしております。 ytprimrose09@gmail.com 世界の平和を祈る日々です。 戦地や被災地の方々の日常が一日も早く戻りますように、 穏やかな暮らしが戻ってきますように。 世界の混乱が収まりますように。
木々の若葉が一斉に芽吹く新緑の季節ももうすぐ。 また、次号「初夏の湘南だより」でお会いしましょう! 季節の変わり目、どうぞくれぐれもお身体ご自愛くださいませ。
INVC暮らしとアートの研究所 https://nonverbal-invc.com 東山安子
|