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2024年 10月 19日発行
みなさま、

こんにちは。
やっと秋めいてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

吹く風が冷んやりとしてきて、紅葉が進んでくると、
なぜかいつもボストンの秋を想い出します。
ボストンに行くのは秋が多かったからかなあ。

我が家の庭では、数日前に、金木犀が一斉に開花しました。
オレンジ色の可愛い花が甘い香りを漂わせています。

大豆は、3分の2ほどは既に枝豆として美味しくいただいたのですが、
残りは葉が枯れ落ちるのを待って、大豆として蓄えます。

この大豆は二月の節分の時の豆まきに使い、福茶にしていただいたりします。
黒豆はお正月のおせち料理に使います。

大豆を収穫した後は耕して麦を植えます。
麦を植えることで、冬中、庭に緑があって幸せです。

それでは、「INVC湘南だより 秋号」、8月から10月にかけての話題をお届けします。

8月 :   暑かった夏を凌ぐ工夫
9月:   久しぶりの鎌倉八幡宮
10月:   目のトラブルを超えて、夫が5冊目の出版

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8月 <暑かった夏を凌ぐ工夫>

「今年の夏は暑かった!」と誰もが異口同音に言います。
温度差が激しく、いきなり夏が始まって、準備もできていない身体は大変!
8月は夏だから暑いのは当たり前とは言え、9月も8月のような暑さで、
なかなか秋風が吹きませんでしたね。

クーラーの無い我が家では、いくつか家の中で工夫をしています。
一つ目は「日差しを遮る」。
離れの大きな窓から強い日差しが入るので、夏ははめ込み式の黒板を入れて、
部屋の中に日差しが入らないようにします。
これだけで、その部屋の気温が上がりにくいので、多少涼しいのです。

二つ目は「涼しい海風を取り入れる」。
夏は家中の窓を全て開け放し、湘南の風を取り入れます。
特に正面にある大きなガラス戸を2枚全開にすると、かなり風が入るような設計になっています。
海風には自然な涼しさがあり、畳に寝転がって吹いてくる風を感じると
子どもの頃に海の家に行ったことを思い出します。
風が吹く日の昼寝は最高で、夏の疲れを癒してくれます。

夜はどうするのか。夜も窓を開けて寝れば問題ないのですが、そうもいかず。
我が家ではOMソーラーという、発電はしないけれど自然の太陽光を利用するパッシブソーラーを
使っています。この設備が、夜は屋根の上から涼しい風を室内に取り入れてくれます。
熱帯夜などで、外の気温が下がらないと効果が薄いのですが、
今年は比較的夜は気温が下がってくれた日も多かったので、助かりました。

三つ目は「扇風機の利用」。
数年前から流石に扇風機は回そうかと探してみたら、扇風機も進化しているのを発見!
オランダ製のもので、風の強さが30段階ものグラデーションになっており、
心地よい風を選べるような扇風機がありました。
首も左右だけでなく、くるくると回転して部屋中の空気を回してくれます。
随分これで空気が滞らなくなりました。

四つ目は「服の素材を選ぶ」。
涼しい素材と言えば、リネン素材。風通しが良くて夏には最適です。
リネン生地を取り寄せて、短パンと袖なしのブラウスを手縫いすれば、とっても涼しく過ごせます。
日々海岸にいるようなスタイルです。

五つ目は「涼しいところに散歩に行く」。
日差しの強い日中は外に出ないようにしているのですが、
ずっと家にいると運動不足になるので、夕方には散歩に出かけます。
海方向に歩いていけば、風はさらに涼しく吹いてきます。
海水浴シーズンの7月と8月は海岸に海の家が多数オープンしており、
最近は「海辺のカフェ」のようなおしゃれな海の家も増えました。
泳いでいる人を眺めながら、風に吹かれつつ、夕暮れ時に一休みです。

そんなこんな、色々工夫しながら暑い夏の日々を過ごして、やっと涼しくなってきました。
涼しくなってきたのはうれしいけれど、急にかなり冷えたり、そうかと思うとまだまだ暑かったり。
気温のジェットコースターに身体がついていくのは大変と、会う人ごとに話すこの頃です。


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9月 <久しぶりの鎌倉八幡宮>

鎌倉で夫のピアノのレッスンがあるので、月に2回ほど一緒に出かけます。
音楽は彼の暮らしにとってなくてはならないもの。
目のトラブルがある度に、どんなにピアノの音に救われてきたことか!
毎日夕方になると、間仕切りのない家全体にピアノの音が流れるのが、我が家の日常です。

鎌倉へは江ノ電でのんびり行くのですが、
ここ数年、外国人観光客の人が本当に増え、まるで外国に来ているかのよう。
欧米系の人たちもいれば、アジア系の人たちもいて、様々な言語が聞こえてきます。
途中、海が見える所に差し掛かると歓声が上がり、一斉にスマホで写真や動画取りが始まります。
観光の中心である江ノ島や、大仏様や観音様のおられる長谷ではもちろんのこと、
漫画で有名な踏切のある駅でもたくさんの観光客が降ります。

江ノ電に30分ほど揺られると、鎌倉に着きます。
行きつけのカフェでトーストと手作りジャム、コーヒーというシンプルなモーニングを一緒に楽しんで、
彼はレッスンへ。その間、私は本を読んだり、原稿を書いたり。
レッスンが終わる頃になると、鎌倉八幡宮の待ち合わせ場所に移動します。
夏の間は、あまりに暑くて外をゆっくり歩けませんでしたが、
この日は秋晴れで気持ちの良い日。久しぶりの段葛です。

段葛は鎌倉八幡宮に向かう真っ直ぐな歩道で、盛り土により車道より数段高くなっており、
両側にある車道を見下ろしながら歩く感じです。
1182年、源頼朝は、それまで海の近くにあった鶴岡八幡宮を鎌倉の谷の中央に移し、
社殿から海まで一直線にのびる参道をつくったとのこと。 これが若宮大路。
その中央を通る段葛は、頼朝が妻政子の安産を祈願して築かせたものだそうです。
階段を登り切った八幡宮から海の方をみると、確かに一直線に道が引かれているのがわかります。

段葛は桜の名所で知られ、開花時期にはたくさんの人がお花見に訪れます。
秋はやはり紅葉。この日も桜の葉が黄色く色づき、まだ緑色を残した葉と半々くらいで、
なかなか美しい色合いでした。ハラハラと落ちてくる茶色い落ち葉も秋の訪れを感じさせます。

この段葛を歩いている外国人観光客も実にカラフル!
私の目の前を歩いていた男性は、朱色のシャツに真っ赤なパンツ、
もう一人は黄色の生地にプリント模様の上下。服の色合いがとても自由で個性的でした。

お昼はお天気が良ければお弁当を持参して、源平池の周りにあるベンチで食べますが、
この日は全面ガラス張りの窓から蓮池が見える和風カフェでシンプルなうどんを。
改装して天井が高くなり、一層素敵な空間になったこのカフェは、
中央の大きなテーブルに赤い秋の実を使ったお花が生けてあり、とても美しい。
外国からのお客さんが写真を撮っていました。他にも欧米系のカップルが1組。
窓際の二人席に座って、蓮池を眺めながら日本の味を楽しんでいました。

源平池の蓮の葉はまだ緑色。あちこちに蓮の実が首を出しています。
もうしばらくして、蓮の葉が枯れてくると、小舟に乗った職人さんたちが、
蓮の葉を刈り取っていく様子が見られます。そういう風情の中、段々と秋が深まっていきます。


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10月 <目のトラブルを超えて、夫が5冊目の出版>

10月7日、ドイツのSpringerという出版社から、夫の本が出版されたとのお祝いメールが届きました。
湘南に越してきて早19年目。湘南で書き始めた英文単著の専門書は既に4冊。
3年〜4年に一度出版してきたのですが、色々な困難もありました。

既に1冊目の時に視力が急に落ち、その時のショックは大好きなピアノの音に助けられたという話、
『暮らしの中ののんばーばる・コミュニケーション』に書きました。
それ以来、目の状況に向き合い、良くはならないけれどこれ以上悪くならないようにと、
PCに向かう時間をかなり制限し、目のための散歩は欠かしません。

そんな中、5冊目の本も執筆を進めていたのですが、3分の2ほど書き上げたところで、
またある日突然、目の前のものが交差して見えてしまうという状態に。
こうなると道を歩いていても、家の壁や道のガードレールが両側から迫ってきて交差して見えるため、
頭ではぶつかるはずはないとわかってはいても、前に進めないのです。
この時は視力もさらに下がってしまい、もう本は書き続けられないと、
出版社には契約の解除を申し入れました。

この時、夫はもう本を書くことはできないと覚悟したと思います。
とにかく少しでも目の状況が回復するようにと、PCを見ることは一切やめて、
散歩をしたり、ピアノを弾いたり、音楽を聴いたりの日々。
どれも彼の好きなことなので、それで暮らせないわけではないけれど、
やっぱり「生き甲斐」という名の「一本の芯」が抜け落ちてしまい、やるせ無かったと思います。

それでもPCを使わない、つまり「目と頭の使い過ぎ」を一切断つことによって、
半年経った頃からほんの僅かづつ、目の状態が良くなってきました。
一年後、なんとPCに向かって執筆を再開し、出版社に「また、書き始めた」と伝えたら、
即座に再契約のメールが。
それから、最終稿を仕上げ、校正を経て、校了となり、今月無事出版となった次第です。

今回の5冊目の出版は、そのような経緯があったため、本当に感無量で、
夫も私も本が手元にあることが信じられない気持ちです。
出版社からCongratulationsメールが届いた日、
私の江ノ島のセミナーに来てくれている受講生の一人がタイミングよく赤白のワインを届けてくれて、
祝杯を上げることができました。
人の身体は本当に不思議で、やり過ぎたことを反省して長期にしっかり休めば、
このように回復してくれるのだと知り、未来に向けて元気が出ました。

今回の本もやっと無事に完成したのだから、少し休めばいいのにと思うのですが、
もう次の本の構想を練り始め(というより前からずっと考えていた)、目次を書き始めています。
PCのOSもMacの最新バージョンにアップし、計算ソフトも最新版にして、準備万端!
と本人は意気込んでいます。
私としては、もう少しゆっくりペースでやって欲しいのですが、
なかなか本人の生き甲斐の勢いを止めることはできません。

来月は誕生月なので、今回の本は「喜寿の出版」、次回は「傘寿の出版」を目指すと。
卒寿で本を出された恩師を複数存じ上げているので、諸先輩方にあやかって、
楽しく執筆が続けられますように、無事に次回も出版できますようにと祈りつつ、
日々穏やかな暮らしを心がけたいと思います。

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それでは、今号はここまで。
ご感想、ご近況など、いつでもお待ちしております。
ytprimrose09@gmail.com

日々、世界の平和を祈っています。 
戦地や被災地の方々の日常が一日も早く戻りますように、
穏やかな暮らしが戻ってきますように。

段々と寒い季節に入りますね。また、次号「冬の湘南だより」でお会いしましょう!
寒暖の差が激しいとのこと、どうぞくれぐれもお身体ご自愛くださいませ。

INVC暮らしとアートの研究所
https://nonverbal-invc.com
東山安子
 

 



 
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