ニュースレター

2024年 7月 26日発行
みなさま、

こんにちは。
厳しい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

今年の梅雨はあまり雨が降らず、大好きな「紫陽花の季節」が
知らぬ間に終わってしまったような感じでした。

そしてこの太陽の強さ! 
連日の猛暑に、まだ夏が始まったばかりなのに、
夏が越せるのかと思ってしまいます。

それでも、湘南の人は夏と海が大好き!
海岸は海水浴を楽しむ人たちといつものサーファーたちで賑わっています。

鎌倉の由比ヶ浜では5年ぶりの花火大会が16万人を集めたと話題でした。
江ノ島の花火は、今年は一回5分を5回くらいに分けてやるようです。
人が集まらないようにしているのでしょうか。我が家から見られるので、
一回5分は夕食の支度の手を止めても見られる長さ。大歓迎です。

それでは、「INVC湘南だより 初夏号」、5月から7月にかけての話題をお届けします。

5月 :  江ノ島国際芸術祭・浮世絵とトンボロ
6月:   メジロの巣作り
7月:   HIKARU NOGUCHIのダーニングワークショップ

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<5月 江ノ島国際芸術祭・浮世絵とトンボロ>

「江ノ島国際芸術祭が、4月半ばから5月末まで、江ノ島で行われました。
昨年は行けなかったので、今年は行ってみようかと、散歩がてら出掛けてみました。

「空の色・景観アート」と題したイベントでは、昼間から夕陽の時間までの空の移ろいを表現
したという、ブルーや赤紫ののれんやフラッグが、江の島の各所に掲げられ、
雰囲気を盛り上げています。

江ノ島神社中津宮では、「浮世絵の小路」と題して、江の島を描いた浮世絵が並びました。
当時の江ノ島の様子が描かれていて大変興味深いのですが、その中の一枚に、
片瀬海岸から江ノ島に渡る海のところに砂地が現れていて、
そこを人々が歩いて渡っている絵がありました。通常、江ノ島に渡るには、
海の上にかけられた弁天橋を10分ほどかけて歩くのですが、この浮世絵では、
人々は江の島と浜をつなぐ「海の道」があるかように、砂の上を歩いて渡っているのです。

潮位が20cm以下になると潮が引いて陸続きになるのを
「トンボロ(陸繋砂州(りくけいさす))現象」というそうです。
実際、江の島大橋、江の島弁天橋の東側で「海の道」が現れ、
江の島と浜が地続きになる時期があるようです。
海の道が現れるのは3月から9月の新月、または満月の干潮時のみで1時間ほど。
「江ノ島トンボロを歩こう」という企画も、この国際芸術祭の期間に設けられていました。

歴史的には、鎌倉時代に成立した歴史書「吾妻鏡」に記述があるようです。
1216年1月15日、江島明神(弁財天)からのお告げがあり、
海がたちまち道となり参詣者が船に乗らず江の島へ渡れるようになったと。

また、江戸時代の浮世絵師葛飾北斎の代表作「冨嶽(ふがく)三十六景」の「相州江の嶌」には、
トンボロの参道を歩いて江の島へ向かう人々が描かれているとのこと。
「浮世絵の小路」で見かけた浮世絵はこれだったかもしれません。

トンボロは長年にわたり江の島周辺地区の名物として知る人ぞ知る現象だったといいます。
私も江ノ島を散歩していると、今日は歩いて渡れそうな日だなあと何度か思う日がありました。
今度、そういう日に出会ったら、是非砂の上を歩いて江ノ島に渡ってみようと思います。

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<6月 メジロの巣作り>

6月7日 離れのアプローチにあるハナミズキの木に鳥の巣ができているのを発見!
このハナミズキの木は植えてからもう10年くらい経っているのですが、
なかなか大きくならず今でも人の背丈より少し高いくらい。
でも、今年は青々とした葉が増えてこんもりしている感じ。
そのこんもりした小さな森に小さな巣をつくった鳥がいるなんて!
これまで鳥を飼ったことはあったけれど、
我が家の庭に鳥が巣ができたことはもちろん初めてです。

湘南は海も川も山もあるので、大空を悠々と飛ぶ鳥たちがたくさん住んでいます。
江ノ島の桟橋を渡れば、大空を飛ぶトンビがピーヒョロロと鳴いていますし、
ハヤブサもいるようです。大きな川の中央にはウミネコが群れを成しています。
黒くて細いウミウが川の中に首を突っ込んで魚を咥えてきたり、
大きなサギが背の高い松の木の天辺に巣をつくったり。

最寄りの江ノ電の駅にも、毎年ツバメが巣を作ります。
駅員さんは台を設置したりして「入居者募集中」なんて書いていますが、そちらは不人気。
ツバメは勝手に違う場所に巣を作って、人が行き交う駅の中で子育てをします。
近くの公園にカラスが巣を作った話も以前「湘南だより」に書きました。
でも、まさか我が家の庭に鳥が巣を作るとは!思っても見ませんでした。

二週間くらい、離れの行き帰りにそっと巣を横目で眺めながら通ります。
脅かさないようにと気をつけながら。
親鳥はいつもまっすぐ前を見て、じっと巣に座っています。

今日も座っているなあと眺めていて二週間。
6月24日に、ひながかえった気配。
親鳥が頻繁に飛び立っては戻ってきて、ひなに餌を与えているようです。
この日は、昨年暮れから訪問看護を受けていた母の低温やけどが
7ヶ月ぶりに完治したとの連絡が入った日。嬉しいことが重なりました。

我が家のハナミズキに巣を作ったのは、どうやらメジロではないかとわかり、
引き続き横を通り過ぎるごとに、そっと横目で様子を見ます。
鳴き声はあまり聞こえないのですが、小さなくちばしがいくつか見えるような気がします。
親鳥は頻繁に餌を取ってきている気配です。段々、ひなが大きくなると
あの小さな巣の中に居られるのだろうかと余計な心配をしてしまいます。

6月29日、どれくらいすると巣立つのかなあと思っていたら、
ハナミズキのすぐ横にある姫林檎の木にメジロが4羽ほど飛んできました。
みんなまだ小さいような感じで、飛び立ったかと思うと、また姫林檎の木に戻ってきて、
ハナミズキの木にある巣を眺めているように見えます。

その時、「あっ、この子たち、もしかしたら巣立ったひなでは?」と。
その後、巣をのぞいてみたら、やっぱりひなはいませんでした。
なんか、早かったな。もう少し巣の中にいると思っていたのですが。
ちょっと寂しいような、でも無事に巣立ったことはとてもうれしかった!
また、来年巣を作ってくれるといいな、と淡い期待を抱きながら、
ひなの巣立ちを喜びました。

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<7月:HIKARU NOGUCHIのダーニングワークショップ>

7月のある日。私は鎌倉駅から20分ほど山の方に歩いたところにあるギャラリーに向かっていました。
一年ほど前にできたという、このちょっとおしゃれなギャラリーは、
鎌倉在住の作家さんたちの籠ものや陶器の作品など様々なものが展示されています。
金継ぎやブレスレットづくりなどのワークショップも開かれている中、
私が参加したのは「ダーニングのワークショップ」。

ここで言う「ダーニング」とは何か、
このワークショップの案内を見るまで、私は全く知りませんでした。
「ダーニン(darning)」とは「繕う」こと。それだけならば、これまでもお気に入りのセーターとか、
靴下とか、なかなか捨てられずに繕っては使っていましたから、ただそれだけなのですが、
今回のHIKARU NOGUCHI率いるダーニング協会の「ダーニング」が全く別物であることに気づき、
すぐに参加を申し込みました。

何が別物なのか。ただの繕い物が、
なんとも楽しく自由な「ポップアートの世界」に変身すること、
そして普通は目立たないように繕うところを
「アート感覚で美しく繕って目立たせる」ことです。

「繕って着続けること」は、オーガニック・コットンとかリネンとか、
肌に心地よい自然素材のものを身につけるようになってから、
着心地が良くて手放せずに行ってきたことではありますが、
HIKARU NOGUCHIのダーニングは、
自由自在な色使いといい、抽象画のような模様といい、
ダーニングした衣類が、「かけがえのない1着」として輝きだし、
また生き返ってしまうという、魔法のような手法なのです!

HIKARU NOGUCHIはテキスタイルデザイナー。
19歳で初めて渡英し、「古いものの保存と新しい価値観」が共存するイギリス文化に魅せられ、
後に15年、イギリスで暮らす中でこのダーニングに出会ったといいます。
アンティーク好きのご家族の影響もあり、暮らしの中で古いものを大切に使う中で、
ダーニングに惹かれたのも自然な流れだったようです。

道具として「ダーニングマッシュルーム」と呼ばれる、
きのこの形をした木製のものを使いますが、
このダーニングマッシュルームはイギリスのアンティークマーケットでよく見かけるとか。
イギリスに住んでいた頃には気づかなかったなあと残念に思います。

この日のワークショップは2時間。ダーニングのついての簡単なレクチャーのあと、
代表的なステッチを二つ習いました。

一つは「バスケット」と呼ばれ、
繕う場所を中心に小さな四角の形を描き、まず縦糸を刺します。
その後、糸の色を変えて交互に縦糸を拾いながら横糸を刺し、
小さな四角の中で織物をするような感じで仕上げます。
1〜2センチ角という小さな織物の世界、これがなかなか楽しい!

もう一つは「塩ごまダーニング」という手法で、
表面には小さな点が胡麻粒のようにポツポツと出るのですが、
裏は返し縫いになっているので、布の補強には効果的な刺し方です。
さらには、バスケットと塩こまを組み合わせて模様を作っていく方法もあります。
四角の大きさも塩ごまとの組み合わせも自由自在で決まりがあるわけではないですし、
糸目も揃ってなくて全然OKとのこと。

なんと言っても楽しいのは色の組み合わせです。
ダーンング用の糸は、毛糸でも、刺繍糸でも、しつけ糸、刺し子の糸など、なんでも良いのですが、HICARU NOGUCHIは、南アフリカやイタリアのカシミアやモヘア、リネンなど様々な素材の
美しい糸を揃えてくれています。

色の綺麗な、素材感のある少々高級な糸ですが、
ダーニングに使う量はわずかなので、こういう様々な糸を使ってみるチャンスでもあります。
推奨されている糸の長さは50センチ。これがなくなったら、
同じ色で刺し続けるのではなく、あえて違う色にする、
そうすることによって、思いもかけない色の世界が広がるのです。

この日のワークショップ、初心者向けの一回切りの予定だったのが、
参加者がみんな楽しくなってしまい、継続して開かれることに。
さらにいくつかのステッチを学ぶことで、組み合わせを楽しめるようになりそうです。

私はこの日に持って行ったオレンジ色のセーターのダーニングをあと数箇所楽しんで、
次回はブラウンのトップスをダーニングしてみようかと楽しみにしています。
講習の終わった後は、美味しいお茶とお菓子をいただき、和やかな会は終了となりました。

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それでは、今号はここまで。
ご感想、ご近況など、いつでもお待ちしております。
ytprimrose09@gmail.com

世界の平和を日々祈っています。 
戦地や被災地の方々の日常が一日も早く戻り、
穏やかな暮らしが戻ってきますように。

また、さわやかな風が吹く季節に、次号でお会いしましょう!
まだまだ猛暑が続きそうです。
どうぞ、くれぐれもお身体ご自愛くださいませ。

INVC暮らしとアートの研究所
https://nonverbal-invc.com
東山安子
 

 



 
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