ニュースレター

2024年 5月 3日発行
みなさま、

こんにちは。
お天気も良くなり、さわやかな風が木々の葉を揺らしています。
連休後半が始まり、湘南では江ノ電が満員の乗客を乗せて重たそうに走っています(笑)。
みなさまは、いかがお過ごしでしょうか。

今年は桜の花の開花が待ち遠しく感じるほどに遅れましたが、
例年この連休に満開となる藤の花が、桜を追いかけてすぐに咲き出してしまいました。
今は、赤・白・ピンクなど色とりどりのつつじが、
新緑の木々の葉に映えて大変美しく咲いています。
山の公園では、まだあちこちでうぐいすの鳴き声がこだまし、
中央に移設されている古民家の前庭には、大きな鯉のぼりが悠々と泳いでいます。

それでは、「INVC湘南だより 春号」、3月から4月にかけての話題をお届けします。

24/3/25 :   岐阜の山からやってきた「おむすび石」 
24/4/20:   Lauraの来日
24/4/25:   陶芸ワークショップ:抹茶茶碗

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<岐阜の山からやってきた「おむすび石」>

都内から湘南に引っ越してきて、
大きな空、その空を悠々と飛ぶ鳥たち、濃紺の大海原、それを背景にした雄大な富士山など、
湘南の自然を満喫していたら、あっという間に18年が過ぎました。

これだけの年月が経つと、木の家はあちこち修理が必要になってきます。
仕事場にしている離れの方も、デッキに上がる木の階段が傷んでしまい、
応急処置をしてはあるものの危ない状態。
そこで、何とかしなくてはと思っていたところ、自然石を置いてはどうかという案が浮上。
「それはいい!」と家族の意見はすぐにまとまり、石を探してもらうことに。

しかし、これがなかなかすぐには見つからない。それはそうですね。
大きさや色、形など階段になるような踏み石をあちこちの石屋さんで見て回ってもらい、
やっと我が家にやってきたのは、岐阜の山から来たという「薄茶色の大きな自然石」。
川の石は表面が削れて滑らかになっているので滑りやすく、踏み石には適さないとのこと。
確かに山からやってきた石の表面は凸凹していて滑る心配はなさそう。

この石はなんと重さが200キロもあるそうで、人が運ぶのは大変とクレーン車がやってきました。
200キロのものをクレーン車が運ぶさまは、引越しのときにアップライトピアノを
2階に搬入するときに見たなあと、その光景を思い出しました。

あの大きなピアノと踏み台になるくらいの大きさのこの石が同じ重さとは!
クレーン車は何とリモコン操作。門の外に泊まったトラックからデッキの近くまで無事に移動し、
土を少し掘り下げて高さを調整し、設置完了。
さらに、石の周りに「竜の髭」を植えて緑を加え、美しく整えて下さいました。

出来上がってみると、木の階段を付けるのと自然石を置くのとでは
こんなにも風情が違うのかと思います。

よく行く近くの古民家にも、気づいてみれば縁側に上がるところは大きな踏み石が置いてありますし、
お寺にももっと大きな踏み石が置かれています。
昔はクレーン車などないでしょうからどうやって運んだのかと思いますが、
日本の木造の家には自然石が合うんだなあと、改めて感じました。

よくよく見ると、この石、おむすびのような形。
そこで、「岐阜から来たおむすび石」と名付けることに。
岐阜は今は亡き義理の父の故郷。
義父がこの家を護るために、この離れの上がり口にやってきて、
どんと座り込んでくれたような気がします。
上り下りが楽になったばかりでなく、
何だかこのおむすび石が門番をしてくれているようで、安心感が増しました。

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< Lauraの来日>

長年の友人であり共同研究者でもあったLaura。
9年ぶりに来日するとの知らせが入ったのは2月のこと。
9年前は友人たち数人との来日でしたが、今回は娘さんとの来日。
会計事務所に就職し、昨年結婚したばかりとのこと。
私も娘さんとは初対面なので、会えるのを楽しみにしていました。

私とLauraが出会ったのは、二十代半ば。
二人とも博士課程の院生で、出会ってすぐに共同研究をしようと意気投合! 
テーマもすぐに決まって、毎週私の2DKのアパートで、
お互いの子どもたちを遊ばせながらのデータ取り。
お昼も持ち寄ってみんなで一緒に食べました。
Lauraの持ってきてくれたキッシュが美味しかったこと、今でも思い出します。
この時のデータが元になって後に『日米ボディートーク 身ぶり・表情・しぐさの辞典』に結実し、
三省堂から出版されました。

今回も9年前と同様に江ノ島で待ち合わせ、住宅街を縫うように走る江ノ電でまずは鎌倉へ。
途中、海が見えてくると江ノ電の中からは乗客の歓声が上がります。
お天気も良く、波待ちのサーファーもたくさん! いつもの湘南の風景です。
鎌倉について御成通りを抜けて、レストランへ。
彼女たちは日本食が大好き、ご飯大好きなのですが、
京都でも日本食は堪能してきたようなので、今回はイタリアンで。
お昼を食べながら積もる話に花を咲かせました。

興味深かったアメリカ東部・ノースカロライナ州でのご近所付き合いの話題をいくつか。
一つはトランプゲームの「ブリッジ」。
4人ですることから夫婦で友人のお宅を訪ねてブリッジをするのが社交の時間となるそう。
ブリッジはなかなか複雑で難しいゲームのようです。
しかし、コロナ禍で集まらなくなってから、あまり再開されていないのが現状とのこと。

二つ目は”Book Club“と呼ばれる読書会。
会の規模は色々なれど、20人くらい集まり、1ヶ月に一冊読んで、
次の人に順次それを渡していって意見交換したり、
全員で同じ本を読んで読後感を話し合ったり。
しかし、Lauraによれば、本についての話はほんの少しで、あとはお喋りに興じるとのこと。
やはり社交の場なのですね。

三つ目は”Dinner Club”というLauraが今入っているグループ。
最近近所に越してきた7人のご婦人の集まりで、
おしゃべりしたり、散策に出かけたり、演劇や音楽会に一緒に行って交流を深める会だそう。

そんなこんなの話を聞きながらの食事の後は、由比ヶ浜通りを歩いて長谷へ。
まずは高徳院で大仏を見て、その後長谷寺で長谷観音を見たり、庭園を散策したり。

Lauraは我が家と同じでお庭が好き。自宅ではガーデニングをする時間が多いとか。
長谷寺の庭園は四季の花が咲き乱れる美しい庭でよく手入れされています。
私たちの来訪時は八重桜や牡丹、そのほか紫蘭などの小さな花々がたくさん。
一つひとつの花に目を留めながら、一緒に庭園を巡りました。
竹林では、人の背丈ほどになったたけのこや、食べられそうな小さなものまで、
今の季節だからこその光景でした。

あっという間に時間は過ぎ、お別れの時間に。
お互いのプレゼント、Lauraの娘さんが編んでくれたカラフルな毛糸の靴下と、
私の娘が手作りしたオーガニッククッキーに、もう一度お礼を言い合い、
またの再会を願って、去っていく姿に手を振りました。
また、会える日が来ますように。

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< 陶芸ワークショップ:抹茶茶碗> 

3月から陶芸のワークショップに参加しています。
以前に参加したものは、数時間で形を作り、後の行程はお任せというスタイルでしたが、
今回のものは、焼くところまで全ての行程を体験できます。
従って、一回では終わらず、3〜4回通います。

3月に行った第一回では、土を選んで、その土をパンやうどんのように捏ねます。
これはなかなか力のいる行程で、気をつけないと手首を痛めてしまいそう。
これは「菊ねり」というやり方だそうです。

次にろくろの上に土を少しのせて、そこを土台として器の形を作っていきます。
一段目ができたら、土で細いヒモ状のものを作って乗せ、高さを上げていきます。
この時に、器の壁が均一の厚さになるように、手で丁寧に形作ります。

今回作っているのは「抹茶茶碗」。
ご飯茶碗より自由度があるので、かえって形が難しい。
一つは四角っぽくして少し平らな形、もう一つは丸っこくて高さもあるころんとした形。
ちゃんとイメージしていかないと、その場で形作ろうとしてもなかなかうまくいきません。

一緒に参加した娘が作っているのは「植木鉢」。
彼女は私よりよっぽどアートセンスが高いので、黙々と自分の世界に入り込んで、
集中して形を作り上げていきます。
私は途中で疲れてしまうのですが何とか形にして、一回目はここまで。

2回目は、器の重さを軽くし、厚さを均一にしていくための「削り」という過程です。
器を裏返しにして台に乗せ、「高台」と言う器の外底を削り出します。
後は、器全体の外側と内側を削って滑らかにしていきます。
この「削り」は形を作る一回目のプロセスよりも、私は楽しい!
調子に乗ってどんどん削っていたら、「薄くなりすぎないように注意して」と講師の先生のご注意。
飲み口のところも薄くしました。

抹茶茶碗には絵付けする方法もありそうですが、今回は模様を削って入れようと計画。
何の絵にしようかと、我が家の庭にある木や花を見て回りました。
野村紅葉の赤い葉やプロベラのような赤い種、
斑入りのつたの緑の葉、
花水木の白い花などを観察してスケッチしたり、葉っぱを一枚取って形を写し取ってみたり。
それらを工房に持っていきました。

どれをどれに描こうかと思案し、四角い抹茶茶碗の内側の底には紅葉の葉を、
丸っこい茶碗の方には花水木の花を掘ることにしました。

次は道具です。
道具によって描く線の風合いが変わるので、試しの土の上で描いてみます。
鉛筆や、先に細い金具が付いているもの、彫刻刀のようなものなど色々試してみます。
下絵は筆と赤のインクのようなもので描き、決めた道具で掘っていきます。
器の外側にも模様を入れました。

その後は、模様の上から白い液体を筆で塗りました。
次回釉薬で色をつけた時に、掘った部分が白く浮き出るそうです。
2回目はここまで。

次回は色付けです。どんな色にしようか、今から楽しみに考えようと思っています。
出来上がりもどうなるか楽しみで、うまくできたら、
一つはお茶を教えている母にプレゼントしようかなと考えています。

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それでは、今号はここまで。
ご感想、ご近況など、いつでもお待ちしております。
ytprimrose09@gmail.com

世界の平和を日々祈っています。 
戦地や被災地の方々の日常が一日も早く戻り、
穏やかな暮らしが戻ってきますように。

また、次号でお会いしましょう!
さわやかな季節を迎えているとはいえ、まだ肌寒い日もあります。
どうぞ、お身体ご自愛くださいませ。

INVC暮らしとアートの研究所
https://nonverbal-invc.com
東山安子
 

 



 
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