ニュースレター

2020年 7月 28日発行
<ご挨拶>

7月もあと数日。なかなか梅雨明けとならず、
「梅干しの天日干し」もままならない天候が続いていますが、
みなさま、いかがおすごしでしょうか。

それでも、数日前から、梅雨の合間に日が射すと
ミンミンぜみの鳴き声が聞こえるようになりました。
と同時に、うぐいすもまだ美しい声でさえずっています。

今回のNLでは、4月から6月までの<立ち留まった3ヶ月>と
その後の、ゆっくり始動した活動の変化などを
お届けしようと思います。

いつもながら、少々長いNLですので、
お時間のありますときに、お気に入りの空間で、お気に入りの飲み物を片手に
ゆっくりお読みいただけたら、幸いです。

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<立ち留まった3ヶ月>
日々のことに忙しくて、立ち留まりたくても立ち留まれなかった多くの人々が
Stay Homeを奨励されて立ち留まることを余儀なくされた、
結果、立ち留まることができた3ヶ月でした。

皆が経済活動を控えて家の中で休んでいる期間に感じられた<静けさ>は、
3.11の後の計画停電の間、電気が全て止まっていた時に感じた<本来の静けさ>に
どこか似ているような気がしました。

<庭づくりと野菜の種の春蒔き>
我が家の暮らしは基本的には何も変わらず、いつもと同じです。
庭にある小さな畑は土作り中。土を掘って丹念に小石を退け、土を振るって戻す作業は終了。
秋に蒔いた麦は、冬の間に青々と元気に育って、麦の緑を眺めながらティータイムを楽しみました。

世の中の<静けさ>を感じながら、実った麦を刈り、インゲン、黒豆、枝豆、スイカ、ピーマン、
なす、トマトなど、春蒔きの種を蒔きました。インゲンは日々収穫しては、さっと茹でて塩を振り、
お昼にいただいています。スイカも大分大きくなってきました。どんな味がするか、楽しみです。

<手作りの器>
去年の冬から、近くの陶芸アトリエで、器作りのワークショップに参加しています。
アトリエで開催されていた作品展をたまたま訪れ、コーヒーカップを気に入って購入。
日々のティータイムで使っているうちに、その作風にさらに惹かれて、ワークショップに
通うようになりました。

毎月一回、手びねりで器を作り、次の回に焼き上がった自作の器に再会します。
焼きあがると少し小さくなり、色がついて光沢も出て、オシャレに変身です!
持ち帰った器は我が家の暮らしの一部となり、日々の食卓の風景を豊かにしてくれます。
器が変わるとお料理がさらにおいしく感じられるから、不思議です。

これまでに創ったのは、どんぶり、飯碗、家の形の大皿、花器、豆皿など。
アトリエは歩いていけるので、立ち留まった3ヶ月の後、一番早く再開した活動でした。
HPの<photo:手作りの器>の項目に少し写真を載せました。良かったら
ご覧ください。https://nonverbal-invc.com

<本の整理とリサイクル>
立ち留まった3ヶ月の間に、家の中を整理した方も多かったのではないでしょうか。
私もなかなか普段はできない<本棚の整理>をしました。

湘南に引っ越してきた14年前には専任の仕事を辞めたこともあり、本当にたくさんあった蔵書を一気に整理しました。ヨーロッパやアメリカに旅行する度に本屋さんに長時間滞在し、一冊一冊手にしながら丁寧に選んでは、日本に送って集めてきた大切な専門書。それを手放すのは辛い想いもありましたが、湘南の家にはスペースがないので致し方ない! 私の専門分野の図書を受け入れてくれそうな大学図書館や研究機関に電話をし、受け取ってもらえるかと伺って少しずつ送りましたい。若い世代の人たちが手にできるような形で引き継げたので、ホッとしました。

そういうわけで、今の湘南の家の本棚にはすでに厳選した本が入っており、出来るだけ新しい本は買わないようにしているのですが、やはり一般書はどうしても増えてしまう。そこで、一冊ずつはたきを掛けながら、手元に置くべきか否か、吟味しました。

今回利用したリサイクルは、「モノ」を「キモチ」に変えようという、名付けて「キモチと。」という仕組み。毎年わずかながら寄付をして応援している団体がブックオフと提携して行なっている方法です。リサイクルする本を箱に詰め、団体のHPから申し込むと、宅配業者が指定の日に本の入った箱を回収に来て、ブックオフに届けてくれます。送料は無料です。

本の査定が終わると金額の連絡がきて、その金額は自動的に応援している団体への寄付になります。14年前にはこのような仕組みはなかったので、このリサイクル・システムのやり易さと寄付になるという方法に感激しました。このような方法が一般的になると、リサイクルが良い形で進むのだろうと思います。皆さんも、利用してみてはいかがでしょうか。

<散歩>
我が家は午前中は書き物、午後は散歩に出かけますが、この立ち留まった3ヶ月の間に随分と散歩コースが変わりました。以前は川沿いを歩いて海に行くことに加え、街に出かけて本屋さんやカフェに立ち寄ることも多かったのですが、この3ヶ月以来、人の多い街への散歩は減らし、その分、以前にも増して広い空や自然のある場へと足を向けています。

日々歩く川沿いの散歩コースは、家族連れで散歩する人がとても増えたので、私たちは住宅街を歩いて海へ。毎年7月1日には海開きとなる鵠沼海岸ですが、今年は海の家は営業を見合わせたので、海岸線の見通しはよく、江ノ島も美しく見えます。一時、自粛していたのか、「サーファーが一人もいない鵠沼海岸」という、今まで見たこともない景色もありましたが、今は多くのサーファーが戻ってきています。海岸線が広く、オープンエアなので、安心感があります。江ノ島や富士山を眺めながら、波の音に耳をすませ、トンビの鳴き声を聞きながら、潮風に吹かれます。

近所にはちよっとした山歩きができるハイキングコースやその周辺の公園もあるのですが、最近私たちが気に入っているのが<草っぱらの円形公園>。中心になっている円はかなり大きく、一面にシロツメクサなどの草が生えているだけ。こどもたちがかけっこをして遊んでいたり、バトミントンをやっているカップルがいたり、キャッチボールをしている親子がいたりと、みな自由にその草っぱらを楽しんでいます。

その横で、シートを広げて笑顔の赤ちゃんと遊んでいる若いママも。ふんわりしたスカートにツバの広い帽子を被った母親がシロツメクサを手に赤ちゃんと遊んでいる姿は、印象派の絵のようです。円の周りにはジョギングしたり、子どもたちが自転車に乗ったりする幅広の道があります。さらにその周りの木々の下にベンチがあり、ベンチの後ろの木からは、木登りを楽しんでいる子どもたちのにぎやかな声が聞こえてきます。

ここのベンチに座っていると目の前の草の緑と周りの木々の緑、そして川向こうにある山の緑が見えて、実に目に優しい! しかも、草が暑さを吸収してくれるのか、吹いてくる風が涼しくてなんとも気持ちが良いのです。前から知っている公園ではありましたが、最近はこのベンチに座るのがお気に入りです。身近にある心地よい空間、案外近くに宝物は隠れているのですね。

<日経新聞の取材>
6月半ば、『日米ボディートーク 身ぶり・表情・しぐさの辞典』(三省堂)を読んでくださったという、日経新聞・生活情報部の記者の方から、電話取材の依頼がありました。「日本人とあいさつ」についての特集を予定されているとのこと。新型コロナウィルス関連で、欧米などの握手・キス・ハグなどの<ふれあう挨拶>は避けたほうが良いとされ、<ふれあわない挨拶>であるお辞儀に関心が向けられていることは、私も注目しているところでした。インタビューでは、日米の挨拶の調査結果などに基づいてお話ししました。記事は、7月3日付け夕刊に「くらしスクープ おじぎは互いを敬う証し」として掲載され、そのほか数名の方へのインタビューを基に、「おじぎが江戸時代から国内で共有されるようになった」というような歴史的な内容を中心に興味深くまとめられていました。一部とはいえ、記事内容に協力できて幸いでした。

<Zoom オンラインとWebinar>
毎月開催しているINVCセミナーは、6月まで江ノ島の会場が使えなかったことと、受講者たちの電車移動は避けた方が良いとの判断から、Zoomオンラインで行っています。大学で教えている友人たちは、授業の多くがオンラインとなり、 PCの前に座っている時間が増えて疲れが溜まっているようですが、私のように月数回程度であれば、なかなか快適なシステムです。

Zoomを知ったことで、我が家にいながらにして、いろいろ活動が広がっていくことを実感しています。その一つが、世界各地を繋いで行われているWebinarというWeb上のセミナーです。7月のはじめ、金曜日の夜にシカゴで行われた講演に参加しました。時差があるので、土曜日の午前中に聞くわけですが、自宅にいて、シカゴで実際に行われている講演を同時に聴けるというのは、ちょっと感激です。時差を飛び越えて海外に行く事をすでにやめている私にとって、これはなかなか魅力的! 機上の人とならずとも、自宅で海外の講演が聴けるのですから。これから、こういう機会が増えてくる事は、とても歓迎すべき事だと感じています。

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次回の「INVC湘南たより」は[湘南の秋]をお届けします。

このNLはこれまでご縁のあった方々にお送りしております。
ご不要の方は、HPの「ニューズレター」の項目からご自身で解除していただくことができますので、
お手数ですがよろしくお願いいたします。

ご感想や近況をお知らせ頂ける方は、以下のアドレスへお願いいたします。
    東山安子:ytprimrose09@gmail.com
前回はいつもお返事をくださる方々に加え、懐かしい方々からもお便りいただき、
大変うれしく思いました。今回もみなさまからのお便りを、心からお待ちしております。

それでは、梅雨明けが待たれる湘南より、
地球や世界の状況が少しでも好転するようにとお祈りして。

Intercultural Nonverbal Communication
INVC暮らしとアートの研究所  東山安子
https://nonverbal-invc.com





 

 



 
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所在地:神奈川県藤沢市
活動場所:湘南・江ノ島

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