<ご挨拶>
花曇りの日もありますが、 寒さが緩み、暖かな日が続くようになりました。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
「INVC湘南だより:春号」をお届けします。
三月三日はおひな祭り。 我が家の立ち雛はお顔がふっくらしていて、にこやかで、 毎年飾るたびに、こちらの気持ちも穏やかになります。 庭ではピンクの梅がまだまだ美しく咲いています。
三月三日は我が家が都内から越してきた日でもあります。 都内から湘南への引越しは、我が家の暮らしを大きく変えました。
湘南暮らしの12年目が始まった今、その変化を振り返ってみると、 はじめの数年は、都内の職場に通う日々が続いていたので、 半分は都会生活、半分が湘南暮らしでした。 この頃、湘南に根を下ろしている人たちには、 「まだ都会に通っているんですか?」とよく言われたものです。
この都会に通う暮らしをしている間に、都会と湘南の間のさまざまな違い、 例えば、暮らし方、仕事の仕方、時間の流れ、自然との接し方、人との接し方などを 感じて、『暮らしの中ののんばーばるコミュニケーション』にも書きました。
生まれてからずっと都会で生きてきた私としては、都会は大好きで、 とても素敵な場所だったわけですが、今はなんといっても 「日々の暮らしの中にある自然の豊かさ」に魅了されています。
海まで散歩して、波の音を聴き、海の水に足を入れ、砂浜を歩く、 海岸に座っておひさまのぬくもりを感じながら、雄大な富士山と大海原を眺める、 大空を悠々と飛ぶトンビやカモメ、ウミウを見上げ、鳥たちの自由さを感じる、 潮の香りのする風を全身で感じ、大きく深呼吸する、というような時間が 日々の暮らしに根付いていることのありがたさ。
この自然を感じる時間が大切になり始めた頃、 我が家は仕事の拠点を湘南に移し、基本的に都会に通う暮らしを やめたのです。それは、さらなる穏やかさを日々の暮らしにもたらしました。
この湘南暮らしが始まった季節が「春」。 さまざまな「ピンク」を愛でることができる季節です。
川沿いの散歩道では、まず河津桜のピンクが蕾から花へと開花します。 いい香りがするのは、沈丁花。白とピンクのリバーシブルのような花が素敵です。 白梅に続いて咲き始める紅梅のピンク。かなり淡いピンクから、 濃いピンクまで、オレンジ色がかった色から、深紅に近いものまで、 梅のピンクのグラデーションは本当に美しい。
もう少し季節が進むとソメイヨシノの淡いピンク、それが桜吹雪となって散る頃、 少し濃いピンクの八重桜が、ボンボンのように枝に揺れて咲き始めます。 散歩をしながら、さまざまなピンクに出会えるこの季節、 ピンク色の大好きな私にはとてもうれしい時期です。
ピンク色に混ざって、足元を見れば、オオイヌフグリの小さな青い花、日本スミレの紫、 タンポポの黄色が目に留まり、 引地川沿いを散歩すれば、土手一面に広がる菜の花の黄色にも出会えます。 それぞれの家の庭には、ミモザの黄色、雪柳の白、白モクレン、紫モクレンなどが見られ、 これらの多彩な色がピンクに混ざって、春爛漫に向かうのです。
鳥たちも活動開始。 池に白鷺や小鷺がやってきています。 ブルーと黄土色のカワセミがピピっと鳴いて、 素早い速さで飛んできます。 巣作りを始めるのか、くちばしに藁を挟んで大きな翼で羽ばたきながら、 ゆっくり飛んでいく大きな鳥もいます。 うぐいすの鳴き声も聞こえるようになりました。 まだまだ練習中ですが、次第に美しい鳴き声を 聞かせてくれるようになるでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次回の「INVC湘南たより」は[湘南の初夏の兆し]をお届けします。
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それでは、ピンクのグラデーションの美しい湘南より、 みなさまにとって、穏やかで幸せな日々が続きますようお祈りいたします。
Intercultural Nonverbal Communication INVC暮らしとアートの研究所 東山安子 http://nonverbal-invc.com
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