ニュースレター

2016年 8月 11日発行
<ご挨拶>

残暑お見舞い申し上げます。
七日は立秋でしたが、まだまだ暑い日が続いていますね。
みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。

初めてお読みいただける方、
バックナンバーはHP(http://nonverbal-invc.com)よりお読みいただけます。
今後ともよろしくお願いいたします。

湘南の海では、ミンミンゼミ、アブラゼミ、クマゼミ、ヒグラシなどの声とともに、
夏休みに入ったこどもたちの元気な声があちこちでこだましています。
来週のお盆休みに向けて、平日でも江ノ電は満員状態です。

今月の<湘南だより>は、「湘南の盛夏」の様子を

<INVC暮らしとアートの研究所>からは、
INVCの活動の第一期と第二期を振り返り、第三期の方向性についてお伝えします。
また、九月に新たに開講する「INVC東山セミナー」についてもお知らせします。

最後に、七月に行われた明海大学英米語学科の同窓会での、
横浜国立大学教授、渡辺雅仁先生のご講演と懇親パーティの様子もご報告します。

それでは、お時間のありますときに、うちわと冷んやりとした飲み物でも片手に、
ゆっくりお読み下さい。

Intercultural Nonverbal Communication
INVC暮らしとアートの研究所
http://nonverbal-invc.com

代表 東山安子

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<湘南だよりー湘南の夏>

7月20日。こどもたちが夏休みに入ったこの日。
鎌倉の由比ガ浜では、恒例の花火大会が開かれました。
昭和24年に始まったこの花火大会は、今年で68回目。
なんと、私が生まれる前から始まっていたのですね。
沖合を走る船から海に投げ入れられる「水中花火」が美しいと評判です。

由比ヶ浜まで行けば、この「水中花火」が見られるのですが、
例年の人出は14万人と聞いて、人混みの苦手な我が家では、
江ノ電に乗って近くまで観に行くという選択肢は初めからありません。
湘南に越してきたばかりの頃は、江ノ島の弁天橋を渡って、
ヨットハーバーの先の防波堤まで行き、そこから大海原を超えた対岸で行われている
花火を眺めたものです。あの時も、大きな満月が黒々とした海を明るく照らしていました。

この由比ヶ浜の花火が、我が家の二階の窓から見えることに気づいたのは、なんと数年前!
なんとも間抜けな話ですが、あまりに遠いので、見えるはずはないと思っていたのです。
今年も、大きな満月が昇った頃に花火が始まり、二階のキッチンで食後の片づけを
しながら、美しい花火を堪能しました。「水中花火」は見られないけれど、
これで、十分! 湘南の夏の始まりです。

七月の終わりに、今年も孫たちと葉山の海に泳ぎに行きました。
平日だったためか、それほど混んでいない海辺にパラソルを立てました。
遠くに江ノ島が見え、帆をあげたヨットやカラフルなウィンドサーフィンが滑って行きます。
海の色は一面濃いブルー。白い波との対比がとても美しい!

砂浜に横になって目を閉じれば、波の音、蝉の声、こどもたちの笑い声が聞こえ、
涼しい風と、砂の上を吹いてくる熱い風とが混ざりあって、心地よく頬を撫でていきます。
とっても静か。都会のような機械音がせず、自然な音だけが聞こえてくる静けさ。
ずーっとこのままこうしていたい。心が次第にinner-peaceを取り戻します。

亡き父は私がこどもの頃、毎夏、逗子や館山に海水浴に連れて行ってくれました。
泳ぎは海で父から習いました。毎朝、打ち上げられる美しい貝がらを母と拾って歩きました。
貝殻の標本は、夏休みの自由研究の定番でした。

自分の新たな家族を持ち、私もこどもたちを連れて、葉山や三崎の海へ行ったものです。
午後、早めに海から帰り、夕方の涼しい風の吹く中を散歩した時の日差しの感じ。
民宿の大きな樽に漬けられたナスやキュウリの美味しかったこと。
近くの畑にゴロゴロ転がっていたかぼちゃやスイカの様。
いろいろなことが思い出されます。
知人が、「人は海からやってきたのだから、一年に一度は海水に浸かることが大切。
たとえ泳がなくても、それが海水浴なんだから」と話してくれて、妙に納得しました。

今年の梅雨明けは遅くて、いつになったら梅干を干せるかと思っていましたが、
八月に入って、もう大丈夫と、天日干しを始めました。
六月に自然栽培の梅を買って、自然海塩を丁寧にまぶして漬けた梅のつぼを開けてみました。
水が上がって、漬物石の下で、少し平らになった梅たち。今年はうまくできそうです。
一粒一粒、取り出して平らな籠の上にのせていきます。
外のよく日の当たる所に置いて、三日間、天日干しをします。
この間、雨に当ててはいけないと、義母によく言われたことを思い出します。
ゲリラ雷雨が来ませんように。

八月に入り、一段と暑さが厳しくなってくる頃、毎年、夕方から夜にかけて
どこからともなく聞こえて来る「夏太鼓」。数日前から、今年もまた聞こえてきました。
川沿いの公園でこどもたちに太鼓を教えているらしいのですが、
この太鼓の音を聞くと、なんとも涼しげで、夏の夜が愉しくなるのです。

夕食が終わって、床に着くまでのひととき。私は、和室から続いている外のデッキに
うちわと飲み物と蚊やり線香を持ち出して座布団の上に座り込み、
しばしこの夏太鼓の音色に耳を傾けます。

目の前に広がる夜空には、月や星が輝き、
時折、飛行機の赤や緑のランプが点滅します。あの飛行機はどこへ行くのかなあ、
以前はよく出かけていた海外のことを想い出します。
涼しい夜風に吹かれていると、昼間に火照っていた身体が落ち着きを取り戻します。
庭木が風にそよいでさらさらと音を立てるのを聞きながら、あまりの気持ちよさに
しばらく腰を上げられません。涼しい海風の吹く湘南の夏の夜の愉しみです。

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<INVC活動報告ー振り返りと第三期の方向性>

INVCワークショップは2010年に始まりました。三年間、春夏秋冬の年4回、第二木曜日に江ノ島で集まり、勉強会を重ねてきました。この第一期は、メンバーの五人が大学院を修了した直後で、勉強を続けたいという意欲にあふれ、また、同期の修了生同士が再会する機会としても機能してきました。テキストと課題リーディングについての発表を中心としたワークショップが終わると、私はいつも手書きでまとめを書き、イラストを描いて色鉛筆で色を塗り、メンバーに送っていました。メンバーからは、手書きの葉書やカードが折々に届き、「のんばーばるな心の交流」が行き交った時期でした。この第一期はINVCの中で、一回一回、大切に時間を重ねてきた時期で、お互いの理解や絆も深まりました。

2013年に始まった第2期は、「共著で本を書こう」という目標を立て、それに向けて一人一人が、他のメンバーのコメントに耳を傾けつつ、最後まで、「一字一句自分の言葉で書くこと」にこだわって、原稿を仕上げてきました。最終原稿が出来上がって出版社に入稿し、全体のデザインや、表紙、フォント、袖や帯の言葉などなど、細かい打ち合わせが必要になって、水曜日の午前中に、度々恵比寿ミーティングが開かれるようになりました。無事に2015年秋に共著が出版され、2016年2月には出版記念パーティ、6月には第一回INVC花束セミナーを開くことができました。ご参加くださった方々からの温かい応援を感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。

第一期は内容についての知見を深めたInputの時期、第二期は、それを著書やセミナーとしてoutputしようとした時期とも捉えられます。第三期をどう進めるか。右肩上がりに、outputを増やしていくことも可能ではありますが、メンバーそれぞれは自分の活動やキャリアを持っており、それを大切にしつつと考えると、「持続可能な活動モデル」を取ることがいいのではと考えています。したがって、outputをしていた第二期に、本来の勉強会としてはストップしていたINVCワークショップを復活し、再びinputを深めるための活動に入ろうと考えています。outputとしては、個々の活動の中でそれぞれが「のんばーばるの心」を伝えていってくれるであろうことを期待しています。

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<新講座:「INVC東山セミナー」へのお誘い>

東山の活動としては、この秋から月一回、一年間という「INVC東山セミナー」を新たに開設し、
一期生を募集いたします。これは、のんばーばるコミュニケーション及びノンバーバル・コミュニケーションを学ぶ場が限られていることに鑑み、これまで大学で25年間教鞭をとってきた経験をもとに、東山がオファーする「ゼミ形式の少人数講座」です。以下に概略をご紹介いたします。詳細はHP(http://nonverbal-invc.com)の「INVC東山セミナー」の項目をご覧ください。
申し込み受付は、本日より9月15 日まで。ご関心のある方は、どうぞお申込みください。

期間: 一期生: 2016年9月から2017年8月までの一年間。
開講日:2016年9月18日(日)。
場所:江ノ島ヨットハーバー内会議室。
日程: 原則として毎月第三日曜日に、各90分のコースを3種類開講します。
         Aコース:10:30~12:00 Bコース:13:00〜14:30 Cコース: 15:00~16:30
同時受講:各コースは同じ日に授業がありますので、ご希望であれば、2コース或いは、3コース
         を同時受講していただくことも可能です。
募集人数:少人数のゼミ形式とするため、各コースとも5名までとします。
講座形式: 受講生の発表を含むワークショップ形式です。
共通テキスト:『暮らしの中ののんばーばるコミュニケーション 愛蔵版」(銀の鈴社・2016)
                    講座受講者にはプレゼントいたします。
受講料など詳細は、HPの該当項目をご覧ください。

Aコース:「暮らしの中ののんばーばるコミュニケーション講座」10:30~12:00
共通テキストを用いて、一ヶ月に1章ずつ読み込みながら、「のんばーばるコミュニケーション」という視点を学びます。「暮らしの中の知恵」として「のんばーばるコミュニケーション」をどう日々の暮らしに生かしていくか、そしてそのことによって暮らしの中に「小さな幸せ」を取り戻していくには、どういう創意工夫が必要かをディスカッションをしていきます。
対象:高校生、大学生、一般の方、研究者などどなたでも。地元、湘南にお住いの方も、
   お友達を誘って参加されませんか?
     
Bコース:「ノンバーバル・コミュニケーション:論文購読講座」13:00~14:30
共通テキストをもとに、「コミュニケーションの本質」を学びつつ、このコースではノンバーバル・コミュニケーションに関する論文を、毎月一遍ずつ読んでいきます。東山が明海大学応用言語学研究科、及び立教大学異文化コミュニケーション研究科にて担当してきた「非言語コミュニケーション論」のレベルの授業を想定しています。
対象:大学3-4年生、大学卒業生、大学院生、研究者等で、ノンバーバル・コミュニケーションを一から学問的に学びたい方、関心はあるのに学ぶ場のない方、或いは既に研究をしておられる方など。

Cコース:「コミュニケーション科目:教授法講座」15:00~16:30
このコースは、実際に大学などで「非言語コミュニケーション論」「異文化コミュニケーション論」などの講義科目や、「コミュニケーション」に関する実践科目を持っておられる若き先生方を対象とし、学生たちに当該授業を通じて「何を伝えたいか」「どう教えていったらよいか」を一緒に考えていくコースです。明海大学、神田外語大学、青山学院大学、信州大学、東京女子大学、日本女子大学などで教鞭をとってきた経験をもとに、授業内での学生たちとのコミュニケーションの取り方や、カリキュラムの組み方、進め方などを、それぞれの現場に合わせてディスカッションしていきたいと考えています。
対象:大学などでコミュニケーション関係の授業を担当しておられる方、ご自身が教える現場を持っておられる方を対象とします。

詳細と申し込みはHP: http://nonverbal-invc.com 「INVC東山セミナ=」を参照

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<明英:明海大学英米語学科同窓会に出席して>
明英の懇親会は、7月10日に新浦安ブライトンホテルにて開催されました。
一昨年は大津由紀夫先生、昨年は小松達也先生のご講演について、
このNLでもご報告いたしました。今年は、「発信が変える英語学習」と題して、
横浜国立大学教授の渡辺雅仁先生のご講演がありました。

渡辺先生は、明海大学の浦安キャンパス開学以来、私も同僚の一人としてずっと一緒に仕事を
してきた仲間の一人です。仕事が早く、三人分くらいの仕事は難なく、しかも丁寧にこなし、ITに強く、学生の面倒見が良く、研究室には常に学生たちが訪れているという心やさしい先生です。

ご講演は前半は英語で行われ、初めに渡辺先生が2000年に明海大学で開始し、現在は横浜国立大学で継続されている”Project Ibunka"という英作文を主体とした授業についてのご説明がありました。私の理解では、「ITを利用した世界の学生たちとの文通システム」のような仕組みかと思います。インドネシアや台湾、イタリア、ロシア、ポーランド、韓国、デンマーク、ドイツ、フィンランド、アーストラリア、メキシコなど、年度ごとに4−5カ国の間で、英語教育に携わる教員と協力しあって、学生に英語で意見を書くことを奨励します。インターネットに投稿してお互いに読み合い、それに対する意見も書くという仕組みです。英作文の授業は、とかく誰に対して書いているのかが曖昧になりがちですが、この仕組みでは、読み手を意識して書くこと、それに対する反応があることが、実際に英語でコミュニケーションをしようとする動機につながると思います。また、内容も、国際問題を含めて率直に海外の学生と意見交換していることが素晴らしと感じました。

英作文の指導としては、「間違いを恐れずに書く」「読み手をたいせつにする」などの他に、「言語技術(Language Arts)」の指導の大切さを強調されていました。NHK教育TVの番組「お伝と伝じろう」や、三森ゆりか著『外国語を身につけるための日本語レッスン』(白水社2003)を紹介され、日本の小・中・高の国語の授業ではあまり教わらない、相手に自分の意見をどう組み立てて伝えるかということを身につける必要性に言及されました。また渡辺先生が翻訳された、パメラ・J. ファリス、ドナ・E. ヴェルデリッヒ著『ランゲージアーツー学校・教科・生徒をつなぐ6つの言語技術』(玉川大学出版部2016)を紹介され、英語教育は従来のListening, Speaking, Reading, Writingの4技能に加えて、Viewing とVidually Presentingという2技能を加えた6技能を身につけることが大切であると説かれました。

講演の後は、懇親会となりました。今年は二期生がお子さんを連れて参加してくれて、本当に久しぶりの再会ができました。小学校5年生の娘さんが、夏休みにレポートをまとめるため、ノートと鉛筆を抱えて、「コミュニケーションに関するインタビュー」をしてくれました。頼もしい次世代に会えて、楽しい時を過ごせました。いつも準備をしてくださる卒業生の皆さん、ありがとうございます。また、来年お会いできるのを楽しみにしています。

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次回の「INVC湘南たより」は[湘南の秋の兆し]をお届けします。

ご感想や近況をお知らせ頂ける方は、以下のお知り合いの方のアドレスにメールを頂ければ幸いです。
    東山安子:ytprimrose09@gmail.com
    藤田典子:noriko.fujita.09@gmail.com
    山口(田島)美和:barrierfreeclub@yahoo.co.jp
    大野木かおるアンジェラ:angelafraganza@gmail.com
    仁志田華子:08vt018t@gmail.com
    大久保正美:sonmul.fromgod@gmail.com

みなさまからのお便りを、心からお待ちしております。

それでは、みなさま、帽子とサングラスと日傘が手放せない湘南より、
みなさまにとって、穏やかで幸せな日々が続きますように。
暑さ厳しき折り、お身体、ご自愛くださいませ。

Intercultural Nonverbal Communication
INVC暮らしとアートの研究所  東山安子
http://nonverbal-invc.com




 

 



 
 INVC暮らしとアートの研究所

所在地:神奈川県藤沢市
活動場所:湘南・江ノ島

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*また、ノンバーバル・コミュニケーションに関する専門的な記事や解説記事などの執筆もお受け致します。

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